やしろDB

妖怪・伝承 一覧

40体の妖怪・神獣・伝承生物を収録

English

鬼・悪霊5

天邪鬼
鬼・悪霊全国

天邪鬼

あまのじゃく

天邪鬼は何事にも逆らい、人の言葉や心を反対に解釈して行動する小鬼。昔話「瓜子姫」では娘に成り代わり主人公を苦しめる悪役として登場する。仏教では毘沙門天や四天王の足元に踏みつけられる邪鬼として彫刻にも見られ、日本語の「あまのじゃく」(天邪鬼)は「天の邪気」が語源ともされる。

山姥
鬼・悪霊全国(山岳地帯)

山姥

やまんば

山姥は深山に棲む老婆の姿をとる妖怪で、旅人や迷い込んだ者を喰らうとされる。一方で、山の恵みをもたらす山の神の化身、または昔話では金太郎の母として親しまれるなど、畏怖と親しみが混在する存在でもある。能の演目「山姥」でも知られ、単なる怪物を超えた深みをもつ。

牛鬼
鬼・悪霊西日本

牛鬼

うしおに

牛鬼は、牛の頭と鬼の体、または蜘蛛のような胴体を持つとされる西日本の大型妖怪。愛媛・高知・島根などの海岸や川辺に現れ、人畜を襲うと伝えられる。愛媛県宇和島市の「うしおに祭り」では巨大な牛鬼の張子が練り歩き、地域の誇りある祭礼として知られる。

絡新婦
鬼・悪霊全国

絡新婦

じょろうぐも

絡新婦は、四百年以上生きた蜘蛛が妖力を得て、美しい女性に変化するとされる妖怪。罪のない男性を誘惑し、蜘蛛の糸で縛り上げて喰らうという。福島県の鬼怒沼や石川県の用水路など、深みのある水辺に棲むとも伝えられる。その名は「女郎蜘蛛」または「絡みつく新婦(嫁)」とも解される。

鬼
鬼・悪霊全国

おに

日本最古の妖怪のひとつ。角を持ち、虎皮の褌を締めた巨大な鬼神で、赤・青・緑などの体色を持つ。地獄の獄卒として亡者を裁く存在とされる一方、節分では追い払われる悪霊でもある。「鬼は外」と豆を撒く習慣は全国に根づく。

幽霊・亡霊2

精霊・神霊10

ぬらりひょん
精霊・神霊全国(起源は瀬戸内・岡山周辺)

ぬらりひょん

ぬらりひょん

老人の姿をした妖怪で、誰も見ていない隙に人の家に入り込み、勝手に茶を飲んで寛ぐという。「妖怪の総大将」とも呼ばれるが、この設定は後世の創作によるところが大きい。もともとの伝承は「何者かわからない不思議な存在」として語られていた。

天狗
精霊・神霊全国(特に山岳地帯)

天狗

てんぐ

深山に棲む山の霊的存在。赤い顔に高い鼻、羽団扇を持つ大天狗と、烏のような嘴を持つ小天狗(烏天狗)の二形態がある。仏法の障害とされながらも武術や修験道の技を授ける存在として尊ばれ、各地の山岳に祀られる。

小豆洗い
精霊・神霊全国

小豆洗い

あずきあらい

小豆洗いは、川や沢のそばで「ショキショキ」と小豆を洗う音だけを発する妖怪。姿を見た者はほとんどおらず、音だけが聞こえるとされる。「小豆洗おか、人取って喰おか、ショキショキ」と唄いながら洗うとも伝えられ、害を与えることは少ないが、川に近づきすぎた者が溺れるという話も残る。

精霊・神霊東北(特に岩手県)

座敷童

ざしきわらし

岩手県を中心とする東北地方に伝わる座敷(客間)に棲む子どもの姿の精霊。赤ら顔の幼い子どもとして現れ、その家に富と繁栄をもたらすという。いなくなると家は急速に衰えると言われ、大正期の実話とされる旅館の話が著名。柳田國男『遠野物語』に詳しい記述がある。

河童
精霊・神霊全国(特に九州・東北)

河童

かっぱ

河川や沼に棲む水の妖怪。甲羅を持ち、頭頂部の皿に水を湛える。相撲を好み、人や馬を水中に引き込むとされる一方、礼儀を重んじる一面も持つ。地域によって「河太郎」「川童」など呼び名が異なり、農業用水の守護霊として信仰される土地もある。

狐
精霊・神霊全国

きつね

狐は、稲荷神の使いとして神聖視される一方、人を化かし取り憑く妖怪としても広く伝えられる。尾が増えるほど霊力が高まり、九尾の狐は最高位の妖力を持つとされる。人に化けた狐との婚姻譚や、狐憑きの儀礼など、信仰と妖怪伝承が複雑に絡み合う存在で、日本文化における最重要の動物霊の一つ。

狐火
精霊・神霊全国

狐火

きつねび

狐火は、狐が口や尾から発するとされる怪火の一種。夜の野原や田畑に点滅しながら連なって現れ、人を惑わすと伝えられる。江戸時代の随筆や絵画にも多く描かれ、狐の妖術を象徴する現象として広く信じられた。現代では、湿地帯に発生する燐光や放電現象との関連を指摘する見方もある。

狸
精霊・神霊全国

たぬき

狸は、日本の妖怪の中でも特に親しまれる化け狸。葉っぱを頭に載せると姿を変えられるとされ、人や物に化けて人間をからかう存在として語られてきた。同時に、善心を持てば人に富をもたらすとも信じられ、縁起物の置物としても広く普及している。四国の「八百八狸」の伝承でも知られる。

豆腐小僧
精霊・神霊江戸(東京)

豆腐小僧

とうふこぞう

豆腐小僧は、大きな笠をかぶり豆腐を一丁のせた盆を捧げ持つ小さな子供の姿をした妖怪。江戸時代の黄表紙や草双紙に登場し、人を傷つけることはないとされる。食べると体に赤いカビが生えるとも、無害とも伝えられるが、その愛嬌ある風貌から江戸庶民に親しまれた。

雪女
精霊・神霊全国(特に東北・北陸・長野)

雪女

ゆきおんな

雪の夜に現れる、白い肌と黒髪を持つ美しい女性の姿をした雪の精。旅人の体温を奪い凍死させるとも、人と契り所帯を持つとも伝わる。その性格は地域によって大きく異なり、一概に悪しき存在とは言えない。小泉八雲『怪談』の収録で広く知られる。

怪物・異形8

ろくろ首
怪物・異形全国

ろくろ首

ろくろくび

昼間は普通の人間の姿をしているが、夜になると首が異常に伸びる女性の妖怪。眠っている間に首だけが抜け出て徘徊する「抜け首」と区別される場合もある。鳥山石燕『画図百鬼夜行』に有名な描写があり、江戸時代の妖怪絵本文化の代表的存在。

一反木綿
怪物・異形鹿児島県(大隅地方を中心に)

一反木綿

いったんもめん

鹿児島県大隅半島を起源とする、一反(約10.6m)の木綿布が夜空を飛び、人間に巻き付いて窒息死させる妖怪。水木しげる『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターとして全国に知られるようになり、原作での穏やかな協力者像とは裏腹に、本来は人を殺す危険な妖怪とされる。

化け猫
怪物・異形全国

化け猫

ばけねこ

年を経た猫が妖力を持つようになった妖怪。人間の言葉を話したり、二足歩行したりするとされる。頭に布を載せて踊ったり、死者に成りすましたりする伝承も多い。尾が二股に分かれた「猫又」と混同されることがあるが、厳密には別物。江戸時代の怪談物に頻出する。

土蜘蛛
怪物・異形全国

土蜘蛛

つちぐも

『日本書紀』や各国風土記に記される古代の異民族的存在が、後世に巨大な蜘蛛の姿を持つ妖怪へと変容した。源頼光による退治譚が能・歌舞伎に受け継がれ、広く知られる。強力な蜘蛛の糸で敵を絡め取るとされる。

海坊主
怪物・異形全国(海岸)

海坊主

うみぼうず

海坊主は、暗い夜の海上に突然現れる巨大な黒い怪物。その姿は丸い頭部だけが水面から突き出しているとも、全身が漆黒の巨人とも伝えられる。船を転覆させるとされ、船乗りに恐れられた。「坊主」という名は、その丸くつるりとした頭が僧侶の剃髪を思わせることに由来するという。

百目鬼
怪物・異形全国

百目鬼

どうめき

全身に無数の目を持つとされる妖怪。鳥山石燕の妖怪画集では腕に多数の目が描かれた女性の姿で表現され、「百々目鬼(どどめき)」とも呼ばれる。銭を盗み続けた結果として腕に鳥の目が生じたとの説もある。栃木県宇都宮には「百目鬼」という地名由来の伝承も残る。

怪物・異形九州

磯女

いそおんな

九州西部の海岸に現れるとされる女性の妖怪。美しい上半身を持ち、長い黒髪が特徴。髪を相手に巻きつけて血を吸うとも、船に忍び込んで乗組員に取り憑くともいわれる。熊本・長崎・佐賀などで地域ごとに伝承の細部が異なる。

釣瓶落とし
怪物・異形近畿

釣瓶落とし

つるべおとし

近畿地方を中心に伝わる、大木の上から突然落下してくる妖怪。外見は頭部のみとも火の玉ともいわれ、定まらない。江戸時代の怪談集に記録があり、和歌山・京都・滋賀・岐阜などで伝承が確認される。暗くなると人を攫う秋の妖怪として語られることが多い。